ごあいさつ
(創立50周年記念名簿から収載 平成9年10月25日)
同窓会会長 久米田高知
創立50周年、われらが母校附属中学校は大きな節目の年を迎えました。その記念事業の一つとして作成された同窓会名簿、皆様のご協力のおかげでここにめでたく完成、今日皆様のお手元にお届けできる運びとなりました。
顧みますれば、昭和22年高知師範学校附属中学校として朝倉44連隊跡の旧兵舎に産声をあげて以来、営門脇の新校舎、そして昭和39年現在の小津校舎へと所在地こそ変わりましたが、この半世紀で卒業生も約7400の多きを数え、それにともない同窓会の存在感もますます重く厚いものとなってきています。
若い校友には、朝倉44連隊とか、しろつめ草、樗(おうち、せんだん)、ひょうたん池、鏡(鏡川)等、附中を語るときでてくる言葉がさっぱり理解出来ないでしょう。朝倉校舎時代の附中のプールは鏡川でした(鏡の流れ、水こそ鏡)。校庭はだだっ広い練兵場で、一面しろつめ草(クローバー)の原っぱ(しろつめ草の幸わけて)、練兵場と校舎であった兵舎の間にはせんだん(樗)の大木の並木、初夏には薄紫のあえかな花がほのかな甘い香りを漂わす(朝夕にいそしむ窓のはな樗)。そして、ひょうたん池(庭はあけぼの露深し)。付言すれば、現在の附属中学のある場所も往時は旧制高知高校、後高知大学理学部のクランドで、ここも一面クローバーの原でした。
さて、徒らに懐古にふけるのはほどほどにして、名簿に目を転じてみましょう。
われらが校友の県内はもとより全国各地、各分野で雄飛している様がページページに見て取れます。いかに母校附属中学が有為の人材を輩出し、社会に貢献しているかを再認識し、誇らしくも嬉しい限りです。
時うつろい、世は変われども、同じ学び舎に多感なる少年時代を過ごした縁の絆は強く、貴重なものと思います。この名簿が、級友や恩師の消息の判明に役立つだけでなく、先輩、後輩たちとの縦の連帯感の醸成にも資することを願っております。
毎回、8月16日高知会館で開催している同窓会総会には、ぜひ校友誘い合せて多数合い集い、「しろつめ草の幸わけて少年の日」を讃歌しようではありませんか。
末筆になりましたが、表紙の題字は前校長大野定男先生、カットは島村義一先生にお願いしました。ご紹介しますと共に両先生に厚く御礼申し上げます。
校友の皆様のご健康、ご活躍と、母校のますますの発展を祈念して名簿発刊のご挨拶といたします。